おやじが苦手な美脚パンツ
ちかごろ洋服屋の広告に「美脚」や「足長」とあるのを目にするようになった。多くの場合これらのパンツには、従来の仕立てにくらべて股上を深くし、尻ポケットをわずかに高い位置へつけることで、腰下を長く見せる特徴がある。
設計されたボディと同じように着用すれば、幅も細身で、たしかにスマートに見える。
しかし腹周りが立派になったオヤジ世代には、いまいちウケがよろしくない。なぜなら彼らは、パンツのウェスト位置を腹より下げて着る習慣があるので、結果的に股間がダブつき、足が短く見えてしまうのだ。美脚どころではない。
特別なデザインでなくても、格好良く見せるパンツはある。プレーンフロントと呼ぶノータックパンツは、適正なウェストとヒップで仕立てたら、すっきりとして美しい。裾に折り返しを付ければ、やや軽快な着こなしが楽しめる。かつてオヤジたち好んだアイビー・スタイルのツボは、永久不滅なのである。
いつのまにかゆったりサイズに慣れてしまった今日、ちょっと気分を引き締め、オヤジ流儀で「美脚」を着こなしてはいかがだろうか。
絵と分・ふじたのぶお
by foujitas | 2006-08-05 17:49 | 洒落日記