ボタンが語る大人のスーツ(前編)

f0227716_17594243.jpg

男の背広の形をよく見ると、前立てのボタンの数がいろいろあることに気付くだろう。現在では多くが3ボタンで、上の2つを留める仕立てになっているが、2ボタン仕様のジャケットを着る人もある。ボタンの数にはどんな意味があるのだろうか。

元は詰め襟だった背広は、4つのボタンから始まった。そして長い歴史の中で流行によって変化し、一昔前、若い世代を中心に英国復古調の3ボタンが主流になった。「あれは若者のデザインよのう」と、最初は目もくれなかった大人だったが、いつしか彼らに倣って違和感なく受け容れるようになった。

現代における2ボタンのスーツは、ちょっと上質でエレガントな雰囲気を感じさせる。経験こそが醸しだす「大人の味」を演出するに格好のデザインだ。そう気付いたオヤジたちは、こんどはオヤジ世代の主導で2ボタンを復権させたのである。

見よ、若人よ。これがスーツの着こなしだ。深いVゾーンに結ばれた華やかなタイが語る人生を、君たちは知っているか。そんなメッセージが聞こえてきそうな2ボタンのスーツなのだった。

絵と分・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2006-08-26 17:59 | 洒落日記  

<< ボタンが語る大人のスーツ(後編) シャツのスソをどうするか >>