一流のスーツはちょっと

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デフレ時代に突入して、ちまたには似通った品物でも価格に大きな違いが生じた。洋服業界も例外ではなく、一着の背広でも、数千円から数十万円まで見つけることができる。服地や仕立て、あるいはブランド力に応じて値段が異なるのだが、いずれも背広としての機能は果たすのである。

買い物は安いほうが嬉しい場合が多いけれども、なぜ高い背広が存在しているのだろうか。

古今東西、それは自負心の表れに他ならない。大人が着るスーツは、若者が芸能人のマネをしてバイト代をつぎ込むそれとは、あきらかに一線を画する。社会的な責任や地位を自覚するからこそ、それに相応しい着衣で過ごすことに価値を見いだしているのだ。どちらかと言えば自動車選びに似ている。

かつて「一流のスーツはちょっと、ねえ」とためらっていた団塊世代が、いま「一流のスーツは、ちょっと気になるねえ」と言って、少し大きくなったウェストの周りをなでるのだった。本当に良いスーツは、他人の価値観で着るべからず。

絵と分・ふじたのぶお
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by foujitas | 2006-09-30 18:13 | 洒落日記  

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