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街角の粋なスケッチ

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必ずしも都会的な街ばかりが格好良いとは限らない。地域の風土や文化に根ざして創られた街並みには、現代的な手法でデザインされたビルや道路では語れない懐の深さがある。 岩国の周辺では、いかがだろうか。大手の家電店や銀行が移転した駅前の一角は、美しいタイル舗装がなされた道路とあいまって、ビジネスマンの歩く姿が未来像を思わせる。

旧来の店々が集う商店街のエリアでは、寂れた印象が拭えぬけれども、やはり街の年輪を感じさせるモチーフが少なくない。スタイリストがサイケな格好で歩き、エキゾチックな欧州の自動車が行き交う風景は、もっとも男の粋が映える場所だ。

歴史を垣間見るには錦帯橋のエリアが相応しい。家族連れがカジュアルな出で立ちで過ごし、団塊世代が午後の散歩に興じる風景は、とてもリラックスした空気を醸し出す。春先の今なら、明るく柔らかい色合いが似合う街並みである。川下地区に目を移せば、いまだアメリカの文化を肌で感じることができるだろう。

それぞれの街の顔をファッションセンスにかざしてスケッチしてみると、ユニークで多彩な絵が描ける。古今東西、昔ながらの空間でこそ、男の粋は魅力を増すのではないだろうか。

衣食住は人々が暮らすための軸となる物事だ。いずれが突出してもバランスを失ってしまい、日々のライフスタイルを楽しむことができない。適度な贅沢感を持ち、しかし本来は質素を美徳にする、英国人のようなスタイルが羨ましいねえ。

絵と文・ふじたのぶお

by foujitas | 2007-04-13 15:24 | 洒落日記  

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