男のネックの服飾品

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中世の戦にあって、首筋を守るために巻いたスカーフがルーツだという。敵と味方を区分する色が用いられ、後には所属する連隊(レジメント)を示す縞柄が配される。これをレジメンタル・ストライプと呼んだ。

ドレスアップした男が唯一、カラフルな色合いを楽しめるネクタイは、戦いの歴史の中で培われた物だった。

タイの流行はめまぐるしく、その色合いや幅、昨今では素材にも多様な工夫がみられ、実のところ「どれがエエか、よう判らんようのう」と嘆かれる向きが少なくない。ご婦人のスカーフを選ぶようにもゆかず、さりとて決められた法則性も存在しないのである。面妖なる男の服飾品。そのキモに焦点をあててみよう。

アイビーファッションが席巻した時代には、「無地を数本とストライプを」などと諭す教本が多くあった。着こなしを考える上で、たしかに効率的な持ち方だ。使うか否かは別にして、教えに従って取りそろえれば安心できる何かがあった。

しかし現代を眺めてみると、そう易々と済ませられない。英国やイタリアなど各地の趣きが融合する流行は混沌としていて、一筋縄で収められなくなったのだね。

しからば、派手なシャツには地味なネクタイ。派手なジャケットには、地味なシャツとネクタイ。地味なジャケットとシャツなら派手なネクタイ。詰まるところ、やや派手と感じる色柄で一カ所だけ飾るのが今世風。洒落男のささいな主張なのである。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2007-04-20 15:25 | 洒落日記  

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