靴を磨いて男を上げる

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靴は多くの男が興味を抱く服飾品である。とりわけ上質な革靴は、適度な重量感と繊細な造り込みがなされ、足を入れると匠の技にワクワクと胸が躍りだす。厚くきめ細かい革を縫い合わせ、美しく整えられた靴の見栄えはとても優雅なものだ。ファッション雑誌を開きみれば、モデルの足を包む一足が何万円という高価な靴に、小さなため息をついてしまうのだねえ。

さて、そんな靴の何が素晴らしいのだろうか。ブランド、革質や縫製、履き心地。だから「良い靴は高い」とは、さにあらず。

男が嗜む靴というものは、しっかり手入れが行きとどいてこそ真価を発揮する。いくら高級な舶来品であっても、煤けてしまったり、傷だらけでは台無し。さらに、ただ靴墨を塗りたくるだけの手入れは、どんな革でも硬く変質し、やがてヒビ割れてしまうという事実は意外と知られていない。

動物の皮革である革は薬剤によって「なめし加工」がなされる。当然ながら革組織の新陳代謝は起こらない。靴として使用を始めると革が含んでいる脂分や水分が失われ、乾燥状態に陥るのだ。

人間の肌手入れを思い出されよ。口紅や眉墨でメイクアップをするばかりでは、たちまち素肌の潤いが失われてしまう。靴墨を使うその前に、革の保湿成分を整える栄養クリームを忘れてはなりませぬぞ。足元を見られぬよう、くわばら、くわばら。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2007-04-27 15:29 | 洒落日記  

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