パステル色の真相

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景気が良ければ明るい気持ちになり、豊かな色彩が流行する。重苦しい気分のときは好む色合いもダークな色調が増える。色の流行と景気は関連があるという。心理学のような真相は知れぬけれども、メンズファッションの近代を振り返ると、たしかに相通じる傾向が見られる。

バブル経済以後、それまで華やかだった男の洋服は一転して黒や紺、またはベージュやカーキーなどまったく味気ない色に埋め尽くされた。デパートやメンズショップは、みな一様に濃くて暗い色を並べた時代だ。

そんな流行色は、しかし実をいうと恣意的に流布された傾向でもある。世界組織であるインターカラー(国際流行色委員会)は実シーズンの2年前に色を選定し、下流にある業界やメディアがなぞらえる。こうして色の傾向が創り出されているのである。

すると景気動向と流行色は、必ずしも相関的な間柄とはいえない。2年も前に好不況が予言できるのなら、もう少しマシな世の中になっているだろうからねえ。

流行色誕生の賛否はさておき、近年、男のカジュアルにきれいな色が戻ってきた。フレッシュなパステル系の若草色やピンクは、ダークな色のパンツやジャケットに一色を加えるだけで、佇まいが穏やかになり、気分も軽くなったように感じるものだ。

時代を担うオジサマがさらりと着こなすパステル色にこそ、洒落の妙が隠されている。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2007-05-25 17:02 | 洒落日記  

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