シャツ襟が物語る

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ドレスシャツにはいくつかの形状が見られる。いずれも長いファッション史の中で培われて現在に残るもので、背広の胸元にあって、さりげない雰囲気を醸しだす。鏡に映さない限り自分自身では見えないが、いつも気にかけておくべき男子のみだしなみ。

一番数が多くオールラウンドに使えるレギュラーカラー。世界共通の襟型は、正装や礼装にまで用いられる一方で、ビジネススーツにも相応しい。襟の選定に困ったら迷わず決めるべし。

トラッド系のミドル世代に馴染み深いボタンダウンカラーは、一世を風靡したアイビーファッションの象徴的なデザインだ。ポロゲームのユニフォームを見て、風にたなびく襟を固定するべく考案された事が起源となった。したがってシャツ襟の中では、比較的スポーティな誂えと心得るべし。すなわち礼服にはNG。

両襟が広く開いたワイドスプレッドカラーは、英国を代表するクラシカルなデザイン。世紀の洒落男ウインザー公爵が好んで着用し、世界が注目した。大きく結んだタイと組み合わせて、ファッション性を強調して見る者の目を楽しませてくれる。最近では少なくなったタブカラーは、タイの結びの裏で小さなタブを留める。シンプルでスマートな見栄えは50年代のアメリカで流行し、時の映画俳優らがスクリーンで披露した。

シャツの襟にまつわるウンチクは、暮らしの中でも楽しめる洒落男の小さな自己主張なのだねえ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2007-06-08 13:27 | 洒落日記  

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