オッドベストで一石二鳥

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カーディガンとは、前立てが釦留めになったニットセーターのことで、どこか優雅な雰囲気をもつ名前だ。それもそのはず、起源は英国のカーディガン侯爵が発案した前開きセーターといわれていて、いかにも上流階級の匂いがする。

気位が高い英国人は後になっても、ベストを指してノースリーブ・カーディガンと呼んだ。すなわち長袖を取り去ってベストになった、と主張して聞かない。日本でチョッキと称するのは「ちょっと着る」など諸説があるが、どうも後から仕立てた語呂合わせのようで真偽のほどは定かでない。

由来はともかく、秋から冬におよぶ時節にベストはとても重宝する洋服にちがいない。体感温度をうまくコントロールし、色や素材などを楽しむ一石二鳥のアイテムで、だれもが気軽に使えるものなのだねえ。

ところでベストといえば、もう一つ別の衣服を指す事がある。同じように袖を持たない形だけれど、ニットではなく布でこしらえたもの。英国ではウェストコートと呼んで区別する。こちらは本来、スーツの揃いとして誕生したが、洒落者はベストだけを単独で着用する粋を知っていた。やがて色や素材が異なる同型のベストを着込むようになり、異質なベスト、すなわちオッドベストと呼ぶようになった。

いま岩国でオッドベストが目立つのは、それだけ洒落者が増えたという証しなのだよ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2007-11-02 17:33 | 洒落日記  

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