オジサマが細く見える服
美脚パンツとかタイトフィットとか、いまどきのファッション衣料はやたらと細い事を強調した謳い文句が目に付く。これが流行というものだ。たしかに昨今のイケメンは、食べ物が違うのかと思うほど欧米人に近い体型をもって、テレビや雑誌の中にある。
とりわけ羨ましいとも思わぬが、やはり「ワシの腹はメタボよ」と笑っている場合ではない。食生活の改善はもとより、着衣もまた無尽蔵のウェストではタンスが悲鳴をあげるのだねえ。
不摂生の小言は別にして、そんなオジサマ方を細く見せる服がある。
スリー・クォータとは4分の3を示す英語で、コートの丈を指していう。コートの着丈にはフルレングスと呼ぶ足首までの長さ、ニーレングスという膝丈、お尻を隠す程度のヒップレングスに分類され、それはドレッシーなコートほど長い。だから背広のような「チェスターフィールド・コート」などはタキシードの外套として用いられる。
さて、心ならずも出てしまった腹を寛大に許し、軽快に見せるのは、膝や尻を覆わないスリー・クォータやヒップレングスだ。上半身と下半身に視覚的なメリハリがつき、身長や体重を問わずスッキリと見せるので、歩く様もスタイリッシュに映るのである。
ただしオーバーサイズは御法度で、ややタイト気味に着こなすことが肝要。それからいまひとつ、脱いだときの体型管理はお任せしましたぞ。
絵と文・ふじたのぶお
by foujitas | 2007-11-16 12:46 | 洒落日記