江戸前の粋

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「粋」という言葉を辞書でひいてみると「気性や態度、身なりがあか抜けしていて、自然な色気の感じられること。人情、世情に通じているさま。遊里、遊興に精通していること。」などとある(広辞苑より出典)。あるいは江戸後期の深川で、町人の間に生まれた美的感覚を狭義にいう場合もあるらしい。

いずれにしても、どこかで誰かと接点をもつ日常生活の中でこそ成り立つ概念であり、常にそれは相手を意識した身だしなみだ。

生活の営みを支える三要素は衣食住。それでは贅を尽くした生活が粋かというと、決してそうではない。希少な物、高価な物はたしかに珍重されることが多いけれども、それらを選びぬき、用いるセンスが肝要。とり違えたら野暮になりかねない。すなわち物事に対する予備知識を蓄えることこそ粋の第一歩。

左様、寿司を楽しみながら飲む酒は何なら美味いか。ショットバーで無造作に脱ぐコートの服地に一考。その所作や身のこなしの一つずつに人知れず造詣を深め、江戸前の粋は培われたのである。

あと数日で年が暮れる。一年を振り返って粋と野暮を並べてみたならば、やんぬるかな粋とは、なかなか難しいものだねえ。

来る年も粋なコラムで精進いたす所存。お付き合いいただければ幸いにございます。一年間のご愛読に深謝。

絵・文 ふじたのぶお
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by foujitas | 2007-12-28 21:37 | 洒落日記  

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