クールビズの行方

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一年の半ばにさしかかると毎年、梅雨が訪れる。気象学の見地では、今年に限ると珍しく中国地方の入梅が遅いというが、暮らしの中では慣習化された「衣替え」がなされ、同時に「クールビズ実施につきネクタイの着用を控えている」という旨の張り紙がオフィスの入り口などに見受けられる。

かかる告示文書の賛否論はさておき、礼節を重んじる、実に日本人的なコミュニケーション手法であり、張り紙の向こう側には「世間はそう言うが、本当にノーネクタイで大丈夫なんじゃろうか」という社会人の苦悩が見えるのである。そりゃあそうだろう。古今東西、ビジネスマンの首には、四季に欠くことなくネクタイが結ばれていたのだから。

代表者や取締役は達観できる立場にあるけれど、なかんずく中間管理職に勤しむ身分の悩みは大きい。なぜなら来客や訪問を行う実働部隊のトップである場合が多く、それは最も儀礼的な事柄に気遣いが必要な立場だから、やはりスーツとタイはきちんと着こなしておきたいと考えてしまう。しかし一方で上司がネクタイを解かない限り、大勢の部下は、企業の方針だからといって堂々とノーネクタイで過ごすには、少し気が引けてしまうのだねえ。

たかがネクタイ一本で物議を醸すクールビズもおかしいが、昨今のような燃料資源の高騰にあっては、洋服にとどまらずエネルギーの浪費について考え直さねばならんなあ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2008-06-13 18:22 | 洒落日記  

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