オリンピック

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北京五輪が終わった。感動と興奮を生んだ四年に一度の祭典は、人々の記憶に長く残され、後世へ語り継がれるにちがいない。その一方で中国の主催による開催は各方面で多くの物議を醸し、混沌とした今世紀の世相を垣間見るオリンピックだった。

さて、いまから四十四年前。日本人の記憶に鮮明な跡を残す東京オリンピックがあった。高度経済成長期にあった当時は、国民のすべてが感心をもつ一大イベントだったという。入場行進で日本選手団が着用した深紅のブレザーは、もはやシンボル化された絵のようでさえある。

時はまさに空前絶後のアイビーブーム。みゆき族が雑誌に踊り、世のメンズショップが最も輝いていた時代であり、若者のみならず誰もが選手の赤いブレザーに熱い視線を送った。

特徴的に狭い肩幅と三釦上二つ掛けの仕立て、スリーパッチの胸ポケットには日の丸と五輪のエンブレムを配し、金色のメタル釦を備えた純粋なブレザーである。これをデザインしたのが、VANヂャケットを率いた故・石津謙介氏であり、服地は、現在も名高いトラッド系ブランドを持つ老舗の服飾メイカーによって供給されたという。

まもなく秋の到来。今年はオリンピック年にちなみ、久しぶりにブレザーを楽しんでみるのも悪くないねえ。


絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2008-08-29 16:20 | 洒落日記  

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