夏秋服

f0227716_16233291.jpg

お正月番組の中で今年の気象を占うお天気の話題があった。「台風の当たり年で、残暑が厳しい」と述べる、まことしやかな長期予報を聞き、洋服屋として秋口の着こなしに困るだろうと呪った。しかし岩国に大きな台風は見当たらず、九月に入って秋めいた風がさわやかに吹き抜ける。今年の秋は気分が良いねえ。

さて、夏を終えた洋服屋業界では、本格的な秋冬物を扱う前段に端境期の服を揃える傾向がある。保温力が高い羊毛製品を着用するには、さすがにまだ暑い。さりとて夏のままの出で立ちでは開放的に過ぎる。そんな不満足をおぎなうアイテムが「夏秋服」と呼ばれるものだ。

たとえば色合いが濃く、やや重厚な素材感を持つ綿素材。四季を体感できる日本ならではの着こなし術ともいえよう。洋服屋にはいま、ちょうどそんな洋服が並んでいるはずだ。

こんな話題をファッション雑誌などで見聞すると、つい新しい洋服が欲しくなるもの。しかし一方では暮らしを圧迫する燃料の高騰が続く昨今。毎日の食材やガソリンがヒステリックに値上がりしたのでは、新たな洋服どころではない。

なあに、心配無用。夏秋服なんて洒落た名前はあるけれど、ようするに春先に着ていたシャツやカットソーの中から色を選んで工夫すれば同じようなもの。知恵をもって不況を乗り切ろうではないか。もっとも洋服屋は更にに困る。阿々。

絵と文・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2008-09-12 16:23 | 洒落日記  

<< 洋服ブラシ ネクタイの季節 >>