ブリーフケース

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持ち運び鞄のことを指す「ブリーフケース」はパソコンが普及すると同時に一般的になった。画面上でも鞄をモチーフにしたアイコンが好まれ、その意味合いは的を射ているのだけれども、舶来言葉の生い立ちとは興味深いものである。

ビジネスマンがスーツを着用し、オフィス街を駆け回るとき、やはり手にして馴染むのはブリーフケースであるはずだ。平らな書類を傷めぬよう効率よく持ち運ぶために、紙のサイズに合わせた鞄が仕立てられている。昨今ではノートパソコンを携行する局面も少なくなく、それでさえ「B5ファイル型」など、やはり書類の呼びに例えられている。

ビジネスマンは上役になるほど持ち運ぶ書類が少ないもので、だから薄くて小さな鞄を持つことがエグゼクティブの条件とされた。ゆえに一枚革の上品なブリーフケースは、オフィス街にあって一際スマートに見えるのだねえ。

ところで、いつの頃から増えたのか、昨今ではショルダーバッグをタスキ掛けにしたビジネスマンの姿が目に付く。比較的若い世代に多い彼らの姿は、スーツを着用して鞄のストラップを肩から斜めに掛けている。スーツの衿はひん曲がり、肩パッドは食いこみ、胸元のタイはシワだらけ。如何なる流行があろうとも、こんな出鱈目な着こなしは通用せぬというもの。

学生気分が抜けていないと見られて損をするのは、諸君もったいないぜ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2008-11-14 16:22 | 洒落日記  

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