美しいパンツの採寸法

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いくらオーダーメイドが良いと分かっていても、普段に使うパンツを誂えることは困難。多くは裾が半仕上げになされた既製品のサイズを測り、自身の体に合わせて縫い直す。生地を選び、形やデザインを吟味し、試着。すると店員がやってきて裾を折り曲げて長さを決めるというのが相場である。

採寸を行うとき、あれこれと意見を申す店員が居たら、そのパンツはきっと美しく着用することができるだろう。しかし大抵の場合、採寸は実に手早くピンが打たれ、早く着替えよといわんばかりに再びカーテンは閉じられる。そこで美しいパンツの採寸法。

まずパンツの股上を正しく合わせること。品物によって異なる股上を無視し、ベルト位置を自分の好みに従えると、股上が深いパンツの場合、やけに短足な佇まいになる。つまり股に余分な空間が生じているのだ。次に、採寸のときは背筋を伸ばして正面を見据えること。鏡の前に立つと店員が裾を触るので、つい気になって前屈みの姿勢で裾を見ようとしてしまう。腰の屈折によって裾は持ち上がり、意図したより長く仕上がって「ワシの足が短くなった」と嘆いてしまう。さらに多用する靴の形状を考慮する。ローファー型などのスリッポン靴より、プレーントウなどのヒモ靴のほうが甲が高い位置にあるので、正しくは前者に合わせる裾のほうが五ミリ程度長い。

 パンツ一本でも、こういう事柄をきちんと尋ねてくれる洋服屋がいいねえ。

絵・文 ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-02-13 17:26 | 洒落日記  

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