三寒四温

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四字熟語を見て中国を思い浮かべたところ、いみじくも「三寒四温」とは本来、中国大陸で顕著な冬の気候を言い表しているという。シベリアの高気圧が頻繁に移動することで、文字通り三日間が寒く、四日間の暖かい日が繰り返される。ただし日本ではむしろ早春に大きな影響をうけるため、ちょうど今頃それを感じる、と辞典は説いていた。

さて、春先は洋服屋にちょっとした異変が起きる時期。近年では冬物バーゲンが早期に始まるため、二月の店頭はさっぱり。品数は少なく、洋服屋でさえ「まもなく暖かくなるのに、もう冬物はいらんよのう」と我が身を振り返るが、弥生の月になると、途端にウインドウは華やぐ。

アパレル企業には、シーズンの初頭に話題性の高い品物を並べる心理的な戦略がある。まず色やデザイン、アイテムなどを見せ、消費意欲を刺激しようとするもの。冬の終わりから一気に色香が盛り上がるこの時期こそ、ドラマチックな見応えがあるのかも知れないねえ。

店頭が春めいてくると、洋服屋は気ぜわしくなるもの。昨日まで着ていたカシミアのジャケットを早々と脱ぎ、きわめて薄く軽いサマーウールに袖を通す。朝の寒さに挫けて、うっかり冬物を着ていようものなら、「フジタサン、あんたが冬物を着とっちゃあダメよ」と笑われ、あわてて着替える早春の一幕。ハックション。

絵・文 ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-03-13 18:36 | 洒落日記  

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