メタルボタン

f0227716_16295237.jpg

中年向けに出版された趣味の雑誌などを開くと、軽くファッションの話題に触れている特集がある。それは格好良いお父さんへネイビーブレザーを薦めるような内容で、いま密かなブームだ、と当たり障りなく書かれている。流行というより紺色のブレザーは、もはや誰もが愛用するチノパンやポロシャツのような代物。とりわけ多くはないが、すたることもなく、洋服屋にとっては、毎シーズン大差なく売れている当たり前の品物だ。

さて、定番化したブレザーは利便性から習慣的に着用する時期と、何となく金属のボタンが気恥ずかしくなって遠ざかる期間が、なぜか交互におとずれるもの。問題の「メタルボタン」はしかし、よく見るとていねいな細工が施してある、男の数少ない服飾品の一つだ。しばらく袖を通していなかったブレザーでも、ボタンだけ新調することで見違えるように生まれ変わるのだねえ。

そこで先頃、店にある品物を改めて広げてみた。実に多彩な色柄、材質でこしらえてあるが、いかんせん価格が高い。前立てに付ける四個のボタンと袖用の八個を合わせて、十二個のボタンが箱に入って六千円以上なんて我ながら合点がいかぬ事。

メイカーが言うままの売価だったが、ちょっとコイツを見直してみた。中にはヤケに仕入値が高い物もあったけれど、この際度外視。定額給付金制度が始まったら、タンスに吊したブレザーのボタンを付け替えてみるとするか。

絵・文 ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2009-04-03 16:28 | 洒落日記  

<< ラガーシャツ ブランド観 >>