ラガーシャツ

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かつてのテレビドラマにラガー刑事と呼ばれた役者があった。それは入庁前の大学でラグビー選手だったことに由来する愛称と記憶している。大学においてラグビーは「早慶戦」などと言われるように、所属校の名誉と誇りを担っていたのである。

彼らがゲームのときに着用しているのが「ラガーシャツ」である。丈夫なコットンジャージは、広いグラウンドを縦横無尽に走って激しくぶつかり合うときでも、一目で敵と味方の識別ができるよう、派手な横縞柄に染め分けられている。容易にすり切れぬよう襟は布でこしらえてあり、怪我を防ぐための比翼前立てにはゴムのボタンが備わる。

運動選手が神聖なユニフォームをグラウンド以外で着る事は慎まねばならないが、OBたちは大学生活の全てを費やしたラグビーに熱い思いを馳せ、社会に出た後でも休日になると、あの派手な縞柄のラグビージャージを着て出かけた。汗を吸い取り、丈夫で動きやすいその性能は、躍動的な一日を過ごすために必要な条件を満たしていて、すこぶる調子が良いもの。

こうしてラガーシャツはタウンカジュアルにすっかり溶け込み、いまやポロシャツにとって代わる春先の代表的な衣服として多くの支持を得ているのだった。洋服屋でその色柄を見てみると、オジサマが着る衣服の中で、これほど派手な配色の物は他に無い。すなわち大手を振って着る事ができる、唯一無二の派手アイテムというワケだねえ。呵々。

絵・文 ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-04-10 16:30 | 洒落日記  

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