今時の夏ジャケット

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一年を通じて男の背広は、その服地は異なるが、仕立ては同じもの。秋冬のスーツはサキソニーウールが好まれ、春から夏へ向かう季節ならサマーウールが一般的に用いられ、いずれも芯地や裏地などを巧みに縫い合わせ、あの佇まいが生み出される。端正な背広仕立ては、しかし一方で時と場合によって堅苦しく映ってしまうことが否めない。

サマージャケットに目を移すと、コットンのシンプルな生地や涼しげなコードレーン、また真夏を彩るインディアマドラスまで、男の夏ジャケットには豊な素材があったが、クールビズが定着してみると、あの明るく派手に見える豊富な服地は見られなくなってしまった。紺やグレイの背広で過ごしていた職場にあって、水色や赤色のジャケット姿で仕事に就くことができなかったのだろうねえ。

そんな現代の夏ジャケットに、今年は少し異変が起きている。これまでのメンズファッションには少なかったニットジャケットが、いろいろなブランドから揃えられていて、やはり人気を博しているのだった。

服地はポロシャツなどで親しんでいるカノコ生地は、裏地を持たない一枚仕立て。なにより伸縮性に富み、軟らかく涼しい。特徴を並べてみると、それはクールビズに最適な条件を揃えているという代物。ネクタイを外しただけでは心細いと思われていた諸兄には、まさしくピッタリの夏ジャケット。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-05-29 16:06 | 洒落日記  

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