ワイドカラー

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ワイドカラー。正しくは「ワイド・スプレッド・カラー」と名付けられた襟型は、かのウィンザー公が愛用した、大きく開いた襟のデザインをいう。シャツの襟は標準的なレギュラー襟のほか、やや短く仕立てたショートポイント、襟先をボタンで留めるボタンダウン、タイの結び目を持ち上げるタブカラーやピンホールカラーなどがある。

これら代表的な男のシャツの襟型は、もう何百年と基本的な形を変えていない。それほど完成度が高く、国際的に広く認められた証でもある。デザイナーの気まぐれで新たな襟も考案されるが、それらは総じて短命に終わってしまうのが常だった。

ところが近年、思いの外長生きしている襟のスタイルがある。一過性の仕立てとたかを括っていたが、翌シーズンにはバリエーションが増し、ついには異なるメイカーまで採用してしまった。これは、もしかすると二十一世紀になって男のシャツに定着する、最初の襟型かも知れない。

ワイドカラーの襟先にボタンを追加した「ワイド・ボタンダウン」ともいうべきデザインだ。実際に着用してみると、小振りな襟は素直に立ち上がり、襟元をスタイリッシュに見せる。欧米人に比べると首が太く短い日本人には、その体型を補って、むしろとても良く似合うのだねえ。今となってはいつ、どこのメイカーが創出したか調べる術もないけれど、日本の洋服観もここまで成長したという事だ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-06-19 17:25 | 洒落日記  

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