ポケットの角度

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何気なく着用しているパンツのポケットに注目してみよう。単に格好が良いだけでは決められないルールがある。

まず尻に二つ。基本的なデザインは左に釦が備わり、右にはハンカチなどを出し入れするために釦が無い。屋外で活動的に過ごすパンツの尻ポケットには「雨ぶた」と呼フラップが付く。文字通り、雨が入らぬよう仕立てられたもので、狩猟に用いたパンツなどに見られたデザインだ。次ぎに前立てに備わるウォッチポケットは、クラシカルな英国調の仕立て。まだ男が懐中時計を愛用していた時代に誕生したデザインである。

腰ポケット。スーツは本来、屋内用として誕生した。その原型は燕尾服やモーニングコートとなって今に残っていて、これらには腰ポケットが無い。なぜなら腰ポケットに物を入れる習慣が無かったのだ。やがてスーツが屋外で用いられるようになって、便宜の向上を目的に腰ポケットが備わるようになった。

スーツのポケットに手を入れると素直に入らなかったり、ヒップサイズが合わないパンツではポケットが開いてしまうが、それは、できるだけ目立たないように仕立てるため、縫い目に沿って垂直方向に付けられたためだった。

縦ポケットにくらべて使いやすい斜め縫いのポケットは、あくまでもスポーティなパンツ。本来はスーツに不向きな仕立てというルールを知っておいて損は無いかもねえ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-10-09 18:40 | 洒落日記  

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