クリスマスの手袋

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そもそも男が屋外で過ごすときの服装は物々しい格好だった。スーツを着た上にスカーフとコートを羽織り、頭に帽子を乗せて靴にはスパッツを被せ、ステッキを持った手には必ず手袋があった。現代でも結婚式のモーニングコートには、必ず手に手袋を持つ。

時代の進化とともに服装は少しずつ簡略化され、戦後のアメリカ文化の流入によって、それは加速した。男子の頭から帽子が消えたのは、ちょうどこの頃のできごとだ。

それでも毎年、寒さが増してくるとマフラーが売れる。近年ではシワ加工が施された薄手の物や、多色のアクリル毛糸を編んだニットマフラーなどが人気を博す。「首筋の防寒はセーター一枚分の温かさ」というのは、あながちデタラメな話しではないもの。

さて、マフラーとセットにして楽しむのが手袋。北風が吹く中をさっそうと歩く佇まいは、一双の手袋によって際だつ。やはりニットの手袋は比較的安価で人気があるが、いま店の棚へ置いてあるタータン柄の手袋は、なぜかやたらと愛おしい。先頃から一人の女性がクリスマスのプレゼントにするか否か逡巡されている品物だ。洋服屋がお客様より先に買い上げてしまっては元も子もないので、彼女が諦めたらぜひ手に入れようと目論んでいるところ。

しかしねえ、立て続けの忘年会で酩酊し、うっかり置き忘れてタクシーに乗り込んでしまったらどうしましょう。今日はクリスマス。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2009-12-25 17:16 | 洒落日記  

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