松の内のジャケット

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松飾りを据えておく松の内は本来、小正月が明ける一月十五日までと決まっていたが、目まぐるしく時を過ごす昨今に合わせたか、いつのまにか七日までとされるようになった。暢気な正月気分で過ごす事が辛抱できない現代の象徴か。

そもそも松の内は、歳神様を迎えるための道標として門松を飾る期間を指す故事。すなわち鏡餅の場所へ神様が鎮座することを想定した習わしである。正月休みにゴロゴロとだらしなく部屋で過ごすなど、もしかしたら罰当たりな事かもしれない。かかる思惑から今年の初詣には、きちんとジャケットを着用してみた。

大勢の参拝者で賑わう白山比咩神社には、お正月に相応しい着物姿のご婦人もあり、手にされた破魔矢や御守りが初々しい。参列について周囲を眺めてみたなら、どうやら若い世代は極めてカジュアルな装いで訪れ、年配者になるほど改まった出で立ちでお参りをされているようだった。風習や縁起を身近に思えばこそ、正月の着こなしに違いが現れるのだろうかねえ。

「背広を着る事が無いけえね」と、堅苦しくジャケットを着る必要が無い社会人は少なくない。無用な代物は持たぬでも良いのだけれども、古今東西、着る物は人柄を表すという。その日、その時の心がけ一つでジャケットを楽しんでみるのも一考。効果的に着こなしてこそ、一流の背広なのである。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2010-01-08 17:17 | 洒落日記  

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