ネクタイ屋の陳情

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大物議員の一件が国会を揺るがしている昨今。さる新聞の片隅に、ネクタイ卸組合がクールビズ廃止を小沢環境相に陳情したと報じる記事があった。たしかに店でもネクタイの売上高は減少傾向にあり、あらゆる流通業界で取扱量は少なくなっているように思え、陳情に行きたくなる気持ちは理解に達する。しかしタイミングがアレだ、ねえ。

さて、ネクタイの役割とは何だろうか。本当に無くしてしまっても支障が無いものならば「ノータイ、ノー上着」も結構。今一度、考えてみるべき時期なのかもしれない。

元々は騎士や戦士が闘いの中で首を保護し、敵方を見分けるためにスカーフが工夫されたというネクタイは、後になって男の首元へ衣装として残った。棒状や蝶型など様々な変遷を辿り、社会生活の中では「身嗜み」や「洒落」の一つとして捉えられ、十八世紀頃にはもう現在の形を成していたという。とりわけスーツを着用するのは、やはり相手に対して礼を尽くす立場である場合が多く、それは同時に、自分自身を正しく評価させるための着こなしである。すなわち現代社会の社交術の一つ。

これが正論ならば、暑苦しいという理由だけでネクタイや上着を着用せず、どこそことなく立ち振る舞うのは大間違い。敬語を無くしてしまうのと同じで、社交術を失っては社会が成り立たない。よって、必要なときには用いるべし。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2010-01-22 17:19 | 洒落日記  

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