オックスフォードの靴

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近代英国の歴史をひもとくとケンブリッジとオックスフォードという地名に出くわす。ともに名門大学や著名な教会が集う場所であり、英国文学にも大きな影響を残している土地だ。とりわけ両校のレガッタ対決やラグビー対決は国民的な話題となって、いまもなお連綿と続けられている。

英国に発祥した伝統的な洋服は多く、いきおいその地名に因んで名付けられたアイテムは、そこかしこに見受けられる。シャツ生地である「オックスフォードクロス」は、本来「ブロードクロス」と呼ぶ細糸のシャツが主流だった当時、彼の地オックスフォードで夏用の服地として用いられた事に由来する名前だ。もう一つ、同じ名前を付けられた洋品がある。「サドル・オックスフォード・シューズ」を始めとする靴の一群は、総じてヒモを結ぶタイプの短靴を指している。

靴の歴史を遡ると、屋外で用いる男の靴は膝下まであるブーツ型に始まる。やがて中深型のブーツになり、後にくるぶしを包むアンクルブーツの時代が長く続いた。近代になって街の整備が進み、砂利や砂の道路が無くなると、靴でくるぶしを覆い隠す必要性が無くなる。そうして誕生したのが、いまの主流となっている「短靴」といわれるタイプの靴。発達が進む都でいち早く、これを使い始めたのが、時のオックスフォードの人々なのだねえ。紳士たる者、ヒモ靴の着脱は面倒でも必ず解いて結んでくだされ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2010-03-19 17:25 | 洒落日記  

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