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靴を磨く男の美学

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春夏物のアパレル展示会へ赴いた。都内で開催される展示発注会では大勢のバイヤーが集い、各々の店頭へ並べる品物を見定める。木枯らしが吹く街路から一歩、屋内へ立ち入ると、明るい洋服が軽やかに飾られていて、まずそのギャップに感覚を馴らすことから仕事は始まる。

アパレル業界へ身を置く者に、お洒落好きが多いことは想像に易いだろう。展示会場ではショップの店長やオウナーたちが、我こそ主役とばかりにプライドを賭けた独特の着こなしで火花を散らす。なかなか面白い風景だ。なかんずく彼らが靴に注ぐ情熱は相当なもので、みな美しく磨かれたドレスシューズを履いて闊歩するのだった。

さて、靴の手入れというと、靴墨でゴシゴシと擦ることを思い浮かべるが、実は磨くばかりでは寿命を縮めてしまう。水分と脂分のバランスを適正に保ってこそ、味わい深い年季をみせるのである。だから保湿と栄養を与えるクリームを用いるのが良い。

靴のケアは、どこか女性の素肌の手入れに似通っているのだね。男が靴を磨く美学には、はっは、けだし当然の理由があったという事か。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2006-11-25 18:23 | 洒落日記  

男はベルトにご用心

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男の着こなしの中でベルトは、意外と軽くみられる場合が多い。お買い得品のパンツにはセットにされるなど、行き詰まるところオマケ的な感覚になっているのである。上等なスーツを着ても、脱いだパンツに付けられたままのベルトも少なくないだろう。

腰を締め付けてパンツが下がるのを防ぐと思われがちなベルトは、実は腰に提げる武具や道具のために生まれたモノだから、袴の腰ヒモとは意味が違う。したがって強く締めたらパンツのウェストにシワが寄り、ひどく格好の悪い着こなしになってしまうのだね。

武具の一種であるからには、本来、身につけるモノと同質な素材が好ましい。牛革の靴や鞄を持ったなら、すなわちベルトも同じような牛革。少なくとも色や素材感を揃える程度は必要な身嗜みといえる。

そういえば有名なファッション雑誌に、二つ穴のバックル(留め具)が掲載され、ときの洒落オヤジたちが嬉々として着用したそうだ。カジュアルな着こなしは、おおいに結構。しかしドレッシーな装いには、シンプルで上品な普通のバックルが良い。デザイナー諸氏のイニシャルを象ったモノも多いが、さて、英国紳士が好むだろうかねえ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2006-11-18 18:21 | 洒落日記  

寒い日は羊毛セーターで

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霜月となり途端に寒さを感じるようになった。あわてて洋服ダンスから取りだしたフリースが暖かく、ひとまずの安堵を得るのだった。

空前のアウトドアブームに推され、タウンウェアにスポーツやゲームの衣服が幅をきかせる時代が押し寄せて、カジュアルな装いは一変した。とりわけフリース素材は安価に出回り、洗濯が簡単なことも拍車をかけ誰もが愛用するヒット作となった。

ところが今秋冬。メンズファッションを見渡すと、なぜかすっかり影を潜めてしまったようだ。代わって大人版カジュアルとして注目を集めているのは、時代をさかのぼるクラシカルな羊毛セーターなのである。

ジャカード編みで美しい幾何学模様をなすフェアアイル柄、北欧のバイキングたちが愛したノルディック柄など、それらはいずれも長い歴史に裏付けられた伝統的なセーターであり、最新素材にくべると、どこか牧歌的な佇まいをもっているのだね。

同じ暖をとるのなら、せめて休日くらいはスローライフを楽しみたい。なるほど、それはオヤジたちの物言わぬ思いなのかも知れない。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2006-11-11 18:20 | 洒落日記  

ウオームビズは上品服

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環境省が省エネを目指して打ち出した「クールビズ」が的を射て、ビジネスマンの服装が一変した。カジュアルな格好で仕事をすることに違和感を覚えなくなり、服飾業界も活気づいたのだった。

しかし、引き続いて冬の省エネ対策として唱えた「ウオームビズ」は、どうした事か夏場ほどの反応が得られなかった。タイを結ばず、色物のシャツを着れば完成したクールビズに対して、いったい何をどう着るれば良いのか、それは分かり易い手本が身近になかったせいかもしれない。

室内温度を20度に定め、暖かく動きやすくて格好の良い服装で過ごそう、と同省は推奨している。抽象的なで分かりづらいけれど、実は男にとってさほど難しいことではない。

そもそも質の良い洋服は暖かく軟らかい。上質な素材を用いた保守的なスタイルで、今年のパープルやオレンジを意識して色柄の工夫をこらす。タイなどのネックウェアも有効なアクセントにできる。そう、多くのオヤジたちが着こなした、上品でトラッドな着こなしこそ、ウオームビズのキモなのだねえ。

絵と文・ふじたのぶお
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by foujitas | 2006-11-04 18:19 | 洒落日記