<   2007年 08月 ( 5 )   > この月の画像一覧

 

礼服の点検は今がチャンス

f0227716_18534061.jpg

秋のファッションを意気込んで語るのはアパレル業界だけのことで、夏の終わりの洋服屋はすこぶる暇。新たに入荷した秋物はショーウィンドウへ飾るが、実のところ、さっそく欲しくなる御仁は稀で、取り扱うこちらでさえ額に汗が残るというものだ。

しかして夏服の収納はまだ先。こんな時期にこそ行っておけば安心な事がある。礼服の点検だ。生活様式の欧米化が進み、秋は慶事が多くなった。不測のお悔やみに参列する機会があるかもしれない。いざタンスから出してみたスーツがシワだらけでは格好がつかぬ。いわんやウエストが窮屈だったり、前日になって虫食いに気づいたのでは、いかにも施しようが無い。

いまでは洋服のリフォームを取り扱うお店も多い。生地のほころびを確かに修繕する技術もある。夏の間、ビールで喜ばせしまった腹周りにとって、久しぶりに穿くパンツは脅威なのだねえ。

おおよそ礼服を着用するときは、ついでの用向きではない。したがって一式をきちんとまとめて保管しておけば、直前になって慌てる事なく過ごせるものだ。スーツはもとより、慶弔に用いるタイ、白のプレーンなシャツ、黒いソックス。それに相応しいハンカチなども取りそろえておけば万全。

冠婚葬祭は謹んで相手を敬う式典。ちょっとしたミスが礼節を逸する場合もある。すべからく洒落者は、一事を以って万端を知る。

絵と文・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2007-08-31 18:53 | 洒落日記  

制服にみるドレスコード

f0227716_1852478.jpg

夏のキャンプ生活は毎年、30年以上も欠かしたことがない。ボーイスカウトに携わって以来、必ず参加している夏季野営がそれ。今年も例外なく、田布施の野営地で素晴らしい野山に囲まれ、童子と共に数日を過ごしたのだった。

野外活動といってもレジャーではないから、日々は楽しくも厳しいプログラムが待ち受けている。ナイフを用い、ロープを結んで野営工作に勤しみ、毎朝にはセレモニーがある。朝礼に正装で臨むスカウト諸君の立ち姿は、まったく凛々しいねえ。

現在のボーイスカウトの制服は機能的で美しいもので「アメリカのラルフ・ローレン氏がデザインした」と当時は話題をさらった。

制服の今は昔。号令がかかるとき「二号正装で集合」などといった。それは制服の一部と、活動に合わせた作業衣を組み合わせたりする一種のドレスコードであり、最も軽装のときでも、スカウトを象徴するネッカチーフだけは着用が義務づけられていた。

翻って現代社会。自由と権利ばかりが主張され、規律や義務が軽んじられるような世間にあって制服は、もはや煩わしい物でしかないのだろうか。個が集い団体になったとき、ドレスコードは相手に対するマナーや、己の身分を表す有効な服装術となるはずだ。

キャンプファイアの明かりを見遣り、子どもたちの未来に思いを馳せて過ごした夏の一夜。制服を着たときの緊張感を忘れるでないぞ。

絵と文・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2007-08-24 18:52 | 洒落日記  

夏服の上手な手入れ

f0227716_18515791.jpg

こう暑い日が続くと洒落なんて考えていられなくなるが、洋服は、やはり日々の暮らしに欠かせない生活の道具でもある。汗だくになって一日を終え、シャワーを浴びた後に飲むビールの喉ごしは、気持ちが洗われるような爽快感。気になる腹周りなどは、なぜか一時的に意識から消えてしまうのだねえ。

さて、夏の男を上げるには洋服を美しく保つことが肝要。日頃の小さな気遣いは着る人の佇まいを昇華させ、洋服の寿命を左右するものだ。

まず、洗濯機任せに洗ってしまえる木綿製品は、吊して干すとき、日向より日陰が好ましい。強い紫外線と直射日光は糸の繊維を傷め、染色されたきれいな色を褪せさせてしまう。テレビコマーシャルのように、気持ちよく青空の下へさらすのは必ずしも利口な方法ではない。

全自動洗濯機が賢くなっても洗えない背広などは、ドライクリーニングよりも日常的なブラッシングが大切。質の良い仕立てのスーツは、ハンガーに吊しておくだけでシワは消えてしまう。ただし日陰で風通しが良い場所で、肩幅や厚さを備えたハンガーを用いること。脱いだ背広を直ちにクローゼットへ入れぬよう。

日本には古くから「土用の虫干し」とよぶ慣習がある。暑さにかまけてビールばかり飲んでいる場合ではありませぬぞ。

絵と文・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2007-08-17 18:51 | 洒落日記  

チョイ派手が男を上げる

f0227716_18511098.jpg

お盆の前後には夏の休暇を利用して帰省する人々も少なくなく、駅前の歓楽街はいつもに増して賑わいをみせている。旧知の仲を温め合う同窓会では、ひそかに年の取り方を競い合い、仲間が集うビアホールでは気の置けない話しに花が咲くのである。

いきおい宴が増える真夏の夜。さて、何を着てひとときを楽しむかは、意外と厄介な宿題になるのだねえ。

淑女の方々は「よそ行き」とか「お出かけ着」と呼ぶ清楚で華やかな洋服があり、フォーマルな雰囲気から、カジュアルな装いまで段階的なアイテムを活用できる。しかし男の装いといったら、仕事帰りのスーツ崩れか、それでなければTシャツに半パンツ姿で憚らぬなど、実に両極端な着こなしに甘んじてしまうケースが多い。

場末の居酒屋ならいざしらず、板前が腕を奮う割烹や、しょうしゃなイタメシ屋だったりすると、それではいかにも貧しいというものだ。

酒の席の一つ一つには性質があって、自身の立場がある。目上の人物と同席する事もあれば、若き後輩を率いることもあるだろう。たとえ飲み会であってもTPOを考え、スマートで愉快な一献を楽しみたいもの。ときには手に持ったジャケットが着こなしを演出し、プレスの効いたシャツは清潔感を促す。いずれもチョイ派手な色柄が評判を上げるものだ。この夏は、品格のある酔っぱらいを謳歌しよう。

絵と文・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2007-08-10 18:50 | 洒落日記  

クールビズ再考

f0227716_18502383.jpg

岩国高校の球児が甲子園を目指して底力をみせ、見事決勝大会へ駒を進めた。闘魂を燃やす彼らの雄姿は清々しく、駅前商店街でも俄然と活力がみなぎる昨今。つい夢中になってしまう心地良い一夏だ。

しかれども汗まみれでデスクワークに就くのは、いかにも具合が悪い。一日の中には、汗をかきたくない時間が少なからずあるもの。夏の職場を快適に過ごそうとするクールビズを今一度考えてみよう。

女性に関する夏のアイテムは大変便利に考えられていて、見習うべきところは多い。たとえば古くは脂とり紙や、最近では腋の汗を吸収するパッドなどは、自身の快適と、相手に対する清潔感に配慮した優秀な小道具だろう。見た目の涼感にくわえて、こうした心配りを身だしなみという。

ひるがえって男性は如何ように夏を過ごすべきか。きちんとプレスを効かせた白っぽいドレスシャツは、まず涼しげに見える。パンツも同じく折り目を正す。きれいなメリハリのある着こなしが必須の条件である。汗対策も肝要。「あつい、あつい」と言って人前で無造作に顔をゴシゴシやっては、せっかくの着こなしも台無し。手洗いなどへ行って、こっそり化粧直しをするくらいの粋が洒落者の心得というもの。

しかし、ひとたび甲子園の応援となったなら、きっと形振り構わず声援を送ってしまうに違いないねえ。ガンバレ岩高。

絵と文・ふじたのぶお
[PR]

by foujitas | 2007-08-03 18:49 | 洒落日記