クリスマスの彩り
日が暮れると寒さを感じるようになった。駅前商店街でもイルミネーションが灯され、コートの衿を立てて足早に歩く人々の目を楽しませている。季節感が薄らいだようでも、気づいてみれば師走。山手町でクリスマスハウスを営んでいた頃が、もう懐かしく思えてくるねえ。
ところでクリスマスには必ず登場するサンタクロース。もとは濃色だった彼のガウンが赤いのは、アメリカの炭酸飲料水を扱う企業の宣伝のために着せ替えられ、いつのまにか「赤いサンタさん」が世界中で市民権を得たという話はご存じの向きもあろう。幼い頃から刷り込まれると、何とはなくハッピーな色に見えてくるものだ。
日々の暮らしを支える衣食住の中に、少しだけクリスマスの彩りを加えることで、なぜか気分が明るくなるものだ。かのクリスマスの店でも一貫して唱えてきたコンセプトは、いまもなお変わらない。
たとえば食卓の唐揚げに小さな赤い実が添えてあったり、玄関の花をポインセチアにしてみたり。この月だけは、いつもより派手な深紅のタイを結んでみるのも一考。そんな小さな気遣いで暮らしを楽しむ術はいくらでもある。
身近なところで幸いな気分に包まれてこそクリスマスは貴い。些細な彩りで相手を幸いにできる大切な一日。赤いガウンを着なくても、サンタクロースの気持ちは味わえるのである「メリークリスマス」。
絵・文 ふじたのぶお
■リンク:クリスマスハウス
by foujitas | 2007-12-07 19:19 | 洒落日記